5月9日(日曜日) いよいよ決勝日。 9時半にサーキット入りすると、パドックは人・人・人で大盛況であった。 オーヴァーレーシングのOV-23XVの廻りには人だかりが絶えない。 オーヴァーフレームに巨大なVツインを積み、おどろおどろしいエアダクトのついたそれは、 ヨーロッパの人々にも興味津々なようで、 遠巻きに見ている人、近づいて覗き込む人、これは何だ?と聞いてきて、 カタコト英語での返答に、困る私。 過去にスーパーモノ選手権でチャンピオンを獲った オーヴァーの知名度はここオランダでも高いようだ。 ![]() ![]() OV23XVは注目度抜群。 |
リバーフィールドの横部さんよりスケジュール進行について説明を受ける。 こちらではライダースブリーフィングというものは行われないようだ。 あくまでエントラントと運営側の信頼関係を重視、というか、 エントラント全員が運営しているような自主性、モラルを重視しているように感じた。 今、日本のサーキットで問題になっていることが、こちらでは微塵も感じない。 全ては自己責任なのだ。 午前中、リバーフィールド横部さんの決勝レースが終了後、1時半いよいよ決勝コースイン。 1周のウォーミングアップラン後、グリッドへ。グリッドは4列目アウト側。 スタートをうまくきめて、上位ライダーについていきたい。 |
赤シグナルが消灯してスタート。苦手のスタートは、 これ以上ないという位抜群のクラッチミートで大成功。 ところが目の前でエンジンストールしスタートできない車両が! ブレーキを掛けながらぎりぎりで何とか追突は免れたものの、 加速が鈍り1コーナー手前では予選順位より下位になってしまう。 1コーナーブレーキングで思いっきり奥まで進入し、 大外からコーナーリングスピードをのせてかぶせ込み、数台をパス。 トップは離れてしまったが、今日は乗れている。 サポートの佐々木氏にアドバイスを受け、 セッティング変更したフロントは大正解で、高速S字も開けっぱなしで切り返せる。 S字の後の右コーナー、奥の複合コーナー、そして最終シケインと、 ブレーキングの必要なコーナーで面白い位に前走車をパスしていける。 9位まで挽回し、さらに上位を狙っていたところで、今度は赤旗中断。 何なんだよ?と思いながらピットインする。奥の高速セクションで、 1台がハイサイド転倒したことが原因らしい。 |
気をとりなおして、シールドの汚れを拭いてもらい、再スタートを待つ。 再スタートは中断1周前の順位が適用され、3列目中央10番グリッドだ。 再スタート、今回もクラッチミートは成功し、 さらに得意の1コーナーブレーキングで数台をパス。 1コーナー立上がりでは6位くらいまでジャンプアップに成功した。 前には自分より速いライダーしかいない。 必死についていくが、さすがに地元ライダーじわじわと離される。 途中何度かミスをし、集中力が切れかけるが、 ここで集中を切らせたら一気に後続に追い付かれると考え、 後ろは振り返らずにひたすら前のライダーを追い掛ける。 ![]() ![]() ![]() 5周目、サインボードに36秒の文字が見えた。 エーッ、そんなタイム出てるの! と自分で驚いてたら、1コーナーでブレーキングミス、 ラインを外しオーバーランしてしまった。 ここで集中が切れ、一旦後ろを振り返るが、 後続はある程度離れていることが確認できた。 何とかコースアウトせずに復帰し、もう一度ペースアップ、前車を追う。 結局そのまま単独走行となり、チェッカー。 最終ラップには35秒7のベストラップも出た。 ![]() このボードを見た直後、オーバーランしてしまった…。 |
クールダウンラップで、自分の前を走っていた名もしらないライダーが、 手を挙げて祝福してくれている。 会話はできないが、ジェスチャーとお互いの眼で同じライダー同士、 十分意思疎通できる。おつかれさま、速かったなあ〜と称えあう。 結果、第1ヒート9位、第2ヒート6位、タイム合算の総合で7位となった。 始めてのコースでの成績としては、十分満足できるものだ。 2ヒート制になったことで、2通りのレース展開が経験できたことも、 今思えばラッキーだった。 パドックに戻り、皆からの祝福を受け、握手をかわす。 この後は、終日ニコニコ上機嫌で、口もとがにやけているのが自分でもわかった…。 その後、インディーズ山口さん、オーヴァー佐藤社長、鈴木さんのレースも順調に進み、 全ての日程を終えた。 ピットの片付けをし、皆で記念撮影をする。 ![]() おのおのがスナップ写真を撮っているなか、私は佐藤社長の友人の娘さんだという、 人形のようにかわいい、ドイツの天使にみとれていた。 ![]() ![]() 私を釘付けにした、ドイツの天使。 ![]() 浴衣姿の日本人はパドックでも目立ってました。 ![]() 荷物の梱包をする。 ![]() さようなら、アッセン。想い出をありがとう。 |