2004.オランダアッセン参戦記 VOL.4(決勝編)



5月9日(日曜日)

いよいよ決勝日。

9時半にサーキット入りすると、パドックは人・人・人で大盛況であった。

オーヴァーレーシングのOV-23XVの廻りには人だかりが絶えない。

オーヴァーフレームに巨大なVツインを積み、おどろおどろしいエアダクトのついたそれは、

ヨーロッパの人々にも興味津々なようで、

遠巻きに見ている人、近づいて覗き込む人、これは何だ?と聞いてきて、

カタコト英語での返答に、困る私。

過去にスーパーモノ選手権でチャンピオンを獲った

オーヴァーの知名度はここオランダでも高いようだ。

OV23XVは注目度抜群。



リバーフィールドの横部さんよりスケジュール進行について説明を受ける。

こちらではライダースブリーフィングというものは行われないようだ。

あくまでエントラントと運営側の信頼関係を重視、というか、

エントラント全員が運営しているような自主性、モラルを重視しているように感じた。

今、日本のサーキットで問題になっていることが、こちらでは微塵も感じない。

全ては自己責任なのだ。

午前中、リバーフィールド横部さんの決勝レースが終了後、1時半いよいよ決勝コースイン。

1周のウォーミングアップラン後、グリッドへ。グリッドは4列目アウト側。

スタートをうまくきめて、上位ライダーについていきたい。



赤シグナルが消灯してスタート。苦手のスタートは、

これ以上ないという位抜群のクラッチミートで大成功。

ところが目の前でエンジンストールしスタートできない車両が!

ブレーキを掛けながらぎりぎりで何とか追突は免れたものの、

加速が鈍り1コーナー手前では予選順位より下位になってしまう。

1コーナーブレーキングで思いっきり奥まで進入し、

大外からコーナーリングスピードをのせてかぶせ込み、数台をパス。

トップは離れてしまったが、今日は乗れている。

サポートの佐々木氏にアドバイスを受け、

セッティング変更したフロントは大正解で、高速S字も開けっぱなしで切り返せる。

S字の後の右コーナー、奥の複合コーナー、そして最終シケインと、

ブレーキングの必要なコーナーで面白い位に前走車をパスしていける。

9位まで挽回し、さらに上位を狙っていたところで、今度は赤旗中断。

何なんだよ?と思いながらピットインする。奥の高速セクションで、

1台がハイサイド転倒したことが原因らしい。



気をとりなおして、シールドの汚れを拭いてもらい、再スタートを待つ。

再スタートは中断1周前の順位が適用され、3列目中央10番グリッドだ。

再スタート、今回もクラッチミートは成功し、

さらに得意の1コーナーブレーキングで数台をパス。

1コーナー立上がりでは6位くらいまでジャンプアップに成功した。

前には自分より速いライダーしかいない。

必死についていくが、さすがに地元ライダーじわじわと離される。

途中何度かミスをし、集中力が切れかけるが、

ここで集中を切らせたら一気に後続に追い付かれると考え、

後ろは振り返らずにひたすら前のライダーを追い掛ける。


ひたすら前車を追う。



5周目、サインボードに36秒の文字が見えた。

エーッ、そんなタイム出てるの!

と自分で驚いてたら、1コーナーでブレーキングミス、

ラインを外しオーバーランしてしまった。

ここで集中が切れ、一旦後ろを振り返るが、

後続はある程度離れていることが確認できた。

何とかコースアウトせずに復帰し、もう一度ペースアップ、前車を追う。



結局そのまま単独走行となり、チェッカー。

最終ラップには35秒7のベストラップも出た。




このボードを見た直後、オーバーランしてしまった…。



クールダウンラップで、自分の前を走っていた名もしらないライダーが、

手を挙げて祝福してくれている。

会話はできないが、ジェスチャーとお互いの眼で同じライダー同士、

十分意思疎通できる。おつかれさま、速かったなあ〜と称えあう。

結果、第1ヒート9位、第2ヒート6位、タイム合算の総合で7位となった。

始めてのコースでの成績としては、十分満足できるものだ。

2ヒート制になったことで、2通りのレース展開が経験できたことも、

今思えばラッキーだった。

パドックに戻り、皆からの祝福を受け、握手をかわす。

この後は、終日ニコニコ上機嫌で、口もとがにやけているのが自分でもわかった…。



その後、インディーズ山口さん、オーヴァー佐藤社長、鈴木さんのレースも順調に進み、

全ての日程を終えた。

ピットの片付けをし、皆で記念撮影をする。




おのおのがスナップ写真を撮っているなか、私は佐藤社長の友人の娘さんだという、

人形のようにかわいい、ドイツの天使にみとれていた。



私を釘付けにした、ドイツの天使。

Oh!ジャパニーズゲイシャ!
浴衣姿の日本人はパドックでも目立ってました。


荷物の梱包をする。

静かなTTアッセン
さようなら、アッセン。想い出をありがとう。



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